何度も繰り返す脇腹の痛み…それ、腹斜筋が原因かもしれません 「さくま整体院(接骨院併設)|恵比寿の接骨院併設整体」
2025年、プロ野球・東京ヤクルトスワローズの主砲、村上宗隆選手が「腹斜筋損傷」の可能性が高く途中交代となりました。体幹の要である腹斜筋を痛めたのではないかと予想されています(上半身のコンディショニング不良となっていますが)
僕も、高校生の時に腹斜筋損傷をしたことがあります。
ゴルフやテニス野球などでスイングするスポーツでなりやすいものではあります。
今回の記事では、腹斜筋損傷の原因と特徴、スポーツ復帰のための正しいリハビリや再発を防ぐための重要なポイントを、治療・運動指導の専門家の視点で詳しく解説していきます。
腹斜筋とは?
腹斜筋は、体の横腹にある筋肉で、外側にある「外腹斜筋」と、内側にある「内腹斜筋」の2層からなります。
これらの筋肉は、体をひねる(回旋)・横に倒す(側屈)・体幹を安定させるといった重要な働きをしています。日常生活はもちろん、スポーツ動作においても非常に重要な役割を担っており、特に野球やゴルフ、テニスなどの回旋動作が多い競技では、常に負荷がかかる部位です。
🔍【仮説】腹斜筋に負担をかける主な要因(例:スイング動作)
💡仮説①:股関節が硬い → 体幹で無理に回旋する本来スイングでは股関節の内旋・外旋が大きく貢献する。
しかし股関節が硬いと、回旋の可動域を腹部に求めてしまい、腹斜筋で代償回旋をしてしまう。
特に片側だけで回旋し続ける場合、一側の腹斜筋に過剰な負荷。
👉 臨床でよくある再発パターンです。
💡仮説②:胸椎の可動性低下 → 腹斜筋が回旋の主動力となる
胸椎(特にT6〜T12)は本来、回旋や伸展に重要。
胸椎が硬いと、体幹の回旋が制限され、腹斜筋で強引にひねる動作が増える。
特にゴルフや野球のトップポジションで胸椎が詰まると、腹斜筋に急激な負荷が集中。
💡仮説③:骨盤の前傾・非対称 → 腹斜筋が常に引っ張られる
片側の腸腰筋やハムストリングスの短縮により、骨盤が前傾・回旋。
結果として腹斜筋が「常にストレッチされた状態」になる。
この状態で回旋動作をすると、筋腱移行部や筋膜が損傷しやすくなる。
💡仮説④:コア(腹横筋・骨盤底筋など)の機能不全 → 腹斜筋が代償的に頑張る
呼吸・姿勢保持・体幹安定において、腹横筋や骨盤底筋が働かないと、腹斜筋が代わりに安定化機能まで担う。
これにより、腹斜筋が回旋 + 安定化という二重の役割を強いられ、疲労と損傷のリスクが上昇。
💡仮説⑤:利き手優位のフォーム → 常に同じ腹斜筋側に負荷
右打者なら、左の外腹斜筋+右の内腹斜筋が過剰使用。
スイングの軌道が片寄っている、体重移動がうまくいかない場合は、一側の腹斜筋が主動筋として働きすぎて痛めやすい。
💡仮説⑥:肩甲帯・脊柱との連動不足 → 腹斜筋に集中負荷
上半身のリード動作(肩甲骨の可動性・胸郭の広がり)が悪いと、体幹で動作を完結しようとする代償が生じる。
→ この時、腹斜筋が本来よりも牽引・圧縮ストレスを受けやすくなる。
腹斜筋損傷の症状と原因
腹斜筋損傷の主な症状は、脇腹〜腹部にかけての鋭い痛みです。くしゃみや咳でも痛みが強くなる場合があり、ひどいと筋肉の断裂や内出血を伴うこともあります。
原因としては以下のような要素が挙げられます。
- 回旋動作の繰り返しによる疲労の蓄積
- 股関節や胸椎の柔軟性不足による代償動作
- 体幹の安定性不足による筋肉の過剰使用
- フォームの崩れや体幹の左右バランスの乱れ
ハードなスイングを繰り返すプロ選手にとって、腹斜筋は負荷がかかりやすく、損傷しやすい筋肉の一つなのです。
なぜ腹斜筋損傷は再発しやすいのか?
腹斜筋の損傷は再発率が高いとされています。その理由は以下の通りです。
① 股関節や胸椎の可動性低下による代償
スイング動作に必要な可動域が確保できないと、足りない動きを腹部の筋肉で補おうとして腹斜筋に過剰な負担がかかります。
② 骨盤のゆがみ・姿勢不良
骨盤が前傾や左右非対称の状態にあると、腹斜筋が常に引き伸ばされた状態になります。その状態で力を入れると損傷のリスクが高まります。
③ インナーユニット(体幹深部筋)の弱化
腹横筋や骨盤底筋、多裂筋などの深部筋がうまく働かないと、腹斜筋が安定性を代償して働きすぎてしまう状態に。これも損傷の原因になります。
④ フォームの偏り
野球やゴルフなど、同じ方向に回旋を繰り返すスポーツでは、一方の腹斜筋だけに過負荷が集中します。こうしたアンバランスも再発リスクを高めます。
スポーツ復帰の判断基準
腹斜筋の損傷から復帰する際には、以下のポイントをしっかり評価することが重要です。
- 痛みが完全に消失している(回旋・側屈・くしゃみなどで痛みなし)
- 筋力が左右対称である
- 胸郭・股関節・骨盤の可動性が確保されている
- コアの安定性(インナーユニット)が戻っている
- 実際の競技動作で違和感がない
特にプロ選手や競技レベルの高いアスリートでは、「痛みが消えた=復帰OK」ではなく、可動域・連動性・筋出力の回復まで確認してから本格復帰すべきです。
再発予防のために大切なこと
・股関節・胸椎の可動性向上
股関節の内外旋や胸椎の回旋がスムーズに行えるよう、ストレッチや動的エクササイズで柔軟性を確保しましょう。
・腹横筋や骨盤底筋の活性化
呼吸法(ドローイン)を活用し、インナーユニットの再教育を行うことで、腹斜筋の過剰な代償を防げます。
・左右差の修正
フォームチェックや体重移動の練習を通じて、片側に偏った体の使い方を改善することが必要です。
・筋膜リリースとリハビリ
胸腰筋膜や肋骨周囲の筋膜の癒着や緊張を改善することで、滑走性と動きやすさが増します。これにより負担を分散できます。
まとめ
腹斜筋損傷は、スポーツ選手にとって非常に厄介なケガのひとつです。村上宗隆選手のようなトップアスリートでさえ慎重な調整を余儀なくされるほど、回復と再発防止には繊細な対応が求められます。
スポーツをされている方で「スイングの時に脇腹が痛む」「ひねると違和感がある」といった症状があれば、無理せず一度専門家に相談されることをおすすめします。
一流のプロの選手は、一般の方と身体の強さも違いますし、高いレベルが要求されるので一概にはなぜ腹斜筋を痛めるのかは言えないと思います。
渋谷区恵比寿にある当院では、腹斜筋の損傷や体幹トラブルに対して、筋膜リリース・運動療法・姿勢改善を組み合わせた施術を行っています。根本的な原因にアプローチし、再発を防ぐ体づくりをサポートいたします。
ぜひお気軽にご相談ください。
▶ 渋谷区恵比寿3-2-9 光陽ビル101
さくま整体院(接骨院併設)
予約優先制・お問い合わせ:03-6277-4052
受付時間:平日10:00~13:00 / 15:00~20:00 土曜午後・日曜休